2016年12月9日金曜日

【学問のミカタ】奥山ゼミの北欧ゼミ研修

ノーベル賞受賞式後の舞踏会会場を見学し写真を撮る奥山ゼミ


皆さんこんにちは。

気づけば12月。今年もあと3週間で終わりです。

今年はどんな年でしたか?
楽しかったこと、辛かったこと、いろいろあると思います。

現法さんは、今年は怪我をして入院手術し、リハビリ療養のため長く離脱したので、なんだかよく分からない年になってしまいました。一番悲しかったのは、3月の卒業式で、卒業する皆さんに会えなかったことです。
しかし後遺症は少し残りましたが、どうにか復帰することが出来ました。学生の皆さんには心配をおかけしすみませんでした。色紙の寄せ書きをもらったり、励ましていただいたことがとても嬉しかったです。ありがとうございました。

来年の目標なんかも立てながら2017年を迎えましょう。

ちなみに冬期休暇開始は12月25日(日)からですので、24日(土)に授業がある人は頑張って出ましょうね。
2017年の授業開始日は1月5日(木)です。お忘れなく!

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さて、今回は【学問のミカタ】テーマは【ノーベル賞】です。

今年も日本人の研究者が受賞したのは記憶に新しいところですね。同じ日本人としてとても誇らしいです。いよいよ12月10日(日本時間では12月11日)にノーベル賞授賞式です。ホームページでは中継も行われるとか。現地のストックホルムやオスロでは、12月6日から既に「ノーベルウィーク」が始まり、受賞者の講演会や催し物が開催されているようです。

【外部ホームページへ】Nobelprize.org(英語です)


今回、現代法学部の奥山正司ゼミ(福祉法プログラム)が、海外ゼミ研修でデンマーク・スウェーデンに行き、北欧の福祉について学んできました。そのときにノーベル賞授賞式が行われるストックホルムで会場を見学してきたとのこと。

奥山ゼミの海外ゼミ研修報告は【次回のブログ】で、小林君と前野君が報告してくれることになっています。お楽しみに!

今回は【学問のミカタ】で奥山先生に、ノーベル賞について寄稿いただきました。ではどうぞ。


【過去のホームページへ】私たちのゼミ合宿を紹介します!~奥山ゼミin山形県大蔵村3泊5日
【過去のホームページへ】【学問のミカタ】安全にお持ちを食べる~老人ホームでの取り組み~


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年のことですが、あっという間に12月に入り、今年も余すところ数少なくなってきました。師走(しわす)12月)ということばは、年の瀬に向かって慌(あわただ)しさが増していくことを言い表していますが、この時期になると何となくあわただしくなってくるのは不思議な感じがします。奥山ゼミは、今年8月末から9月にかけ、北欧のデンマークを中心に、高齢者福祉の現場をいろいろと見学し、スウェーデンにも足をのばして見分を広めてきました。その際、スウェーデンの首都ストックホルムにも滞在し、ノーベル賞の授賞式が催される市庁舎にも立ち寄ってきました。

下、ノーベル賞の由来と開催されるストックホルムの市庁舎及び今年の受賞者である大隅良典先生についても述べることにしたいと思います。

ーベル賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベル(Alfred Nobel)の遺言によって、彼の命日に当たる19011210日から開催されている世界的な賞になっています。物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の「5分野+1分野」で顕著な功績を残した人物に贈られています。 経済学賞だけはノーベルの遺言にはなく、スウェーデン国立銀行の設立300周年祝賀の一環としてノーベルの死後70年後にあたる1968年に設立されたものであるということです。ノーベル財団は、経済賞だけは「ノーベル賞ではない」としているようですが、一般的には、ノーベル賞の一部門として認識している人が多いようです。2016年は、ノーベル生理学・医学賞に、東京工業大学の大隅良典栄誉教授に授与されることが決まりました。大隅さんはこの28年間、一貫して細胞の「自食作用(オートファジー)」という現象の研究に取り組んできたようです。体内を新鮮で健康な状態に保つために、細胞の中に球形の膜が現れて、不要なものや、古くなったものなどを包み込んで分解していく仕組みです。細胞内のたんぱく質がターゲットになることが多いため、「たんぱく質のリサイクル機構」とも言われています。細菌から植物、昆虫、魚、人間まで、ほとんどすべての生物に共通するシステムで、このオートファジーが働かなくなると生物は死んでしまうということです。授賞式は、毎年、5つの賞についてはスウェーデンの首都ストックホルムで開催され、平和賞だけがノルウェーの首都・オスロで行われています。

 庁舎は、ストックホルム中央駅から徒歩で78分ほどのところにあり、スウェーデンで3番目に大きい湖のメーラレン湖に面して建っています。


学ツアー(英語)のリーフレットによると、ストックホルム市庁舎は、スウェーデン人建築家ラグナル・オストベリ(Ragnar Ostberg)の設計によって、191123年の間に建築され、ナショナルロマンチックスタイルで構成されたスウェーデンの最も顕著な建物のひとつであるということです。イタリアのルネッサンス様式の宮殿からインスピレーションを受け、中庭とブルーホールという二つの広場から成る市庁舎を建築したようです。北欧中世風のデザインで、宮殿を思わせるたたずまいです。106mの塔、赤レンガの質感、ゴシック風の窓、ビザンチンスタイルの輝かしい金色の飾り、さまざまな様式を取り入れながら、見事に調和がとれています。ノーベル賞受賞祝賀会が開かれるブルーホールの晩餐会には王室ファミリーや受賞者とその家族など、1300人もの人がこのホールに集うそうです。赤いレンガの部屋なのにブルーホール(青の広間)と呼ばれるのは、当初はレンガの表面を青く塗る計画だったのが、赤いレンガの柔らかい色合いが意外に素敵だったので、計画を変更をしたのだそうです。赤レンガの壁面表面を突いて凹凸を残す「敲(たたき)仕上げ」という手法によって柔らかい風合いの視覚効果と共に柔らかい音響効果も得られるとのことで、高い窓からホールに降り注ぐ自然光もなかなかの効果です。これだけ広いホールなのに中央部分に柱が1本もありません。日本では考えられないことですが、北欧は地盤が固く地震も無いので大丈夫なんだそうです。ブルーホールから緩やかな階段を2階へ上ると、市議会議場です。ストックホルム市会議員の数は101名、現在の男女比率は5150でほぼ半々だそうです。女性の活躍している様子が垣間みられます。議場を見下ろすバルコニーは約200席の傍聴席です。議場の天井は船底のような造りになっていて、これをバイキングルネッサンス様式というそうです。ここは鏡の間でレセプションルームとしても使われます。窓からはメーラレン湖やその向こうの旧市街が美しく見渡せます。

ーベル賞授賞式に関連して、ブルーホールともう一つ有名なのが、受賞パーティーの舞踏会会場となる黄金の間です。1900万枚もの金箔が貼られ、ほかに陶器・ガラスも貼られた眩いばかりの豪華絢爛たるモザイクの壁面です。正面には「メーラレン()の女王」と呼ばれる女性が描かれています。両側の壁面にはスウェーデン1千年の歴史が描かれているとのことです。この部屋を出たところのテラスはブルーホールの吹き抜け部分と接しています。メーラレンの女王を中心に、向かって左側には西の国々の寓意、右側には東の国々の寓意が描かれています。 



去の歴代日本人ノーベル賞受賞者は、2016年時点で25名もいます。日本人ノーベル賞受賞者で、最年少は湯川秀樹さんの42歳。次いで田中耕一さんの43歳です。また、賞別の受賞人数は、物理学賞 11名 化学賞 7名、生理学・医学賞 4名、文学賞 2名、平和賞 1名、経済学賞 0名 です。

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奥山先生ありがとうございました。
ではまた次回、奥山ゼミの海外旅行記をお楽しみに!