2016年12月16日金曜日

私たちのゼミを紹介します!
~奥山ゼミが北欧ゼミ研修で学んだこと~

2016.8 デンマークの保育園見学(奥山ゼミ研修)


みなさんこんにちは。
前回のブログに続き、今回も奥山ゼミ海外研修特集をお伝えします!

【大学ホームページへ】【学問のミカタ】奥山ゼミの北欧ゼミ研修

今回はゼミ生の小林君と前野君に、学生目線で<旅行記>と<所感>をまとめてもらいました!



「奥山ゼミは海外に行くなんていいなぁ」

と思う学生の皆さん、

大学には海外ゼミ研修の費用補助制度がありますよ。多くの皆さんに海外で学んでほしいという「東経大の理念」がここにもありますね。

【大学ホームページへ】国際交流課<海外ゼミ研修>ページへ

【大学ホームページへ】海を越えて現地で学ぶ~海外ゼミ研修成果報告会


奥山ゼミは、今回は北欧だったので、一人当たりの大学からの補助費は7万円だと思います。それを除いても自己負担はおおよそ30万円とか。しかし奥山ゼミは【満場一致】で研修を決定したとのこと。

「どうやって貯めたの?」と聞いたところ、
「決定したのが春先だったので、その後バイトしたり、親に借りたり、今までの貯金から出したりいろいろです!」とのことでした。

素敵な写真とともに旅行記を送ってくれた小林君、前野君、本当にありがとう。
ではでは、皆さんどうぞ~。

--------------------------------------------

奥山ゼミの小林、前野です。奥山ゼミは、「豊かな社会の高齢者福祉はどうあるべきか?」をテーマとしています。他国では見られないほど、日本では急激な高齢化が進み、要介護高齢者が大幅に増加しています。ゼミの目標は、現場での高齢者の生活はもちろん、日本政府や自治体が取り組む政策などについて研究し、今後の日本における高齢者福祉はどうあるべきかを提言することです。今年はさらに『福祉国家』として有名なデンマークへ海外研修に行き、デンマークの高齢者がどのような生活を送り、どのような福祉サービスを受けているのかを調べてきました。そして、帰国後に大学で開催された「海外ゼミ研修成果報告会(1013日)」では、日本の特別養護老人ホーム(特養)と比較しながら、その成果を発表しました。


今回のブログでは発表したスライドや写真を使い、研究成果も含めた私たちの【デンマーク旅行記】としてご報告いたします。


研修期間は829日から98日の約10日間でした。デンマークにした理由は、北欧でも最も進んでいるといわれる福祉国家の姿をこの目で確かめたいと思ったからです。さらに高齢者の生活だけでなく、デンマーク人の人間一生の生活を通して、日本の福祉社会を検討する機会を持ちたいと考えたからです。そのため、保育園から小・中学生、認知症のケアセンターに至るまで、さまざまな施設や機関を垣間見ることができました。
(参加人数:ゼミ生11名・引率教員2名 計13名)
<コペンハーゲン市庁舎横にあるアンデルセン像前での記念写真>

-----------------------

<デンマークの位置と調査地ロスキレ市の位置>

私たちが訪れた都市は、コペンハーゲンから西へ約30キロ離れたロスキレ市です。コペンハーゲンからは列車で約20分、人口約8万人のデンマークでも古い都市です。ユネスコの世界文化遺産に登録されたロスキレ大聖堂があります。

<ユネスコ世界文化遺産であるロスキレ大聖堂の全景>

今回は日本とデンマークを比較するため、事前調査として、6月に23区内にある特別養護老人ホームの2か所を訪問しました。その比較研究成果を10月の海外ゼミ研修報告会で発表いたしました。

ここからは、デンマークでの<滞在記>をご紹介します。

---------------------------

1日目> 到着、ホテル到着
成田国際空港からスカンジナビア航空984便に搭乗し、11時間という長いフライトを終えて、無事にデンマークのコペンハーゲン国際空港へ到着しました。
そして、デンマーク在住の澤渡夏代ブラントさんに出迎えていただきました。澤渡さんには現地コーディネーターとして、私たちの研修計画を組んでくれたほか、施設見学の際には私たちに同行し、通訳業務も行っていただきました。海外研修出発前から帰国に至るまで大変お世話になりました。


<コペンハーゲン国際空港に到着>
<現地でお世話になった澤渡夏代ブラントさん(右)、左はご主人>
そして空港からバスに乗り、今回の調査地であるロスキレ市に入り、ホテルへ到着しました。現地で初めての食事には、みんなが興味津々でした。
<最初の宿泊先であるダンホステル>
<デンマーク到着後、初めての食事>

2日目> 一般事情レクチャー、総合保育園訪問
 午前中はホテルで、澤渡さんからデンマークの一般事情についてのレクチャーを受けました。
 午後は、ホテルから徒歩15分ほどにある聖ヨルゲンセンスビグ総合保育園を訪問し、園児たちと一緒に遊んだり、園長からデンマークにおける保育園の在り方などについてお話を伺いました。
<園児たちと英語でコミュニケーションをとる奥山先生>

園児をおんぶする島根くん
園児たちとサッカーやブランコ

その後、ユネスコ世界文化遺産であるロスキレ大聖堂を訪れました。建物内は、歴代のデンマーク国王の眠る棺が安置されているほか、石像やデンマーク王室で愛用された数々の歴史あるものが展示されていました。
<建物内は世界遺産ならではのつくり>

<歴代国王の棺>

3日目> プライエム、補助器具センター訪問
 午前中は、プライエム(特別養護老人ホーム)とプライボーリ(高齢者住宅)を併設したベアナドッテゴーデンを訪問しました。

 とくにプライエムでは、入居者の方とダンスをして触れあったり、実際の居室をみせてもらうこともできました。また、昼食は施設スタッフの方に作っていただいたオープンサンドウィッチとアップルケーキをいただきました。

<同行した元院生の藤田さんが入居者とダンス>

  その後、バスに乗りロスキレ市の運営する補助器具センターを訪問しました。ここでは市に住む利用者からの依頼があれば、車いすなどの補助器具を無料で貸し出しています。多くの補助器具はリサイクル率が高く、長期的に活用されています


<補助器具センターで職員の方から器具についての説明>

4日目> 認知症ケアセンター訪問、自由行動
 午前中は、小規模認知症ケアセンターOASENを訪問しました。ここでは、入居者自身の下したことに対して施設スタッフはNoと言わず、なるべくその意思を尊重するということです。

 そして午後は自由行動でした。

この日の夕食は日本食と決めていたので、食材を調達するためスーパーに立ち寄りました。宿泊先であるダンホステルのキッチンをお借りして、買ってきたソーセージを焼いたり、日本から持ち込んだパックご飯やインスタントの味噌汁のほか缶詰などをいただきました。
<準備から片付けまで自分たちで>


5日目> 国民学校訪問、コペンハーゲンへ移動

 午前中は、国民学校を訪問しました。また、実際に授業を見学させていただき日本の学校との雰囲気の違いを実感しました。昼食はオープンサンドウィッチを用意していただきました。

<グループ学習をする生徒たち>

<電子黒板を使っての授業>
昼食後、首都コペンハーゲンへバスで移動しました。ロスキレ市とは違い、にぎやかな雰囲気でした。この日から、コペンハーゲンのホテルに宿泊です。
<歴史ある建物に囲まれたコペンハーゲンの湖>

<多くの人が訪れるコペンハーゲン市庁舎の夜景>

6日目> 自由行動、澤渡さん宅での打ち上げ・反省
 夕方までは、各自自由行動でした。

夕方には全員で澤渡さん宅へ向かい、夕食をご馳走していただきました。この日がデンマーク最終日だったので、6日間を通しての反省をしました。
<リトルマーメイドの銅像には観光客が殺到>

澤渡さん宅で久しぶりの和食を堪能
7日目> デンマークからスウェーデンへ
 私たちはこの日から、デンマークからさらに足を伸ばし、スウェーデンへ移動しました。スウェーデンは、デンマークよりも寒さが厳しく9月にも関わらず白い息が出るほどでした。

 首都であるストックホルムのホテルに宿泊し、デンマークとは違った雰囲気を味わいました。
<ストックホルム市庁舎展望台からの絶景>

<ストックホルムの街並み>
8日目> ストックホルム市庁舎見学、自由行動

この日は、毎年12月に行われるノーベル賞授賞式後の晩餐会が開かれるストックホルム市庁舎を見学しました。目の前にはメーラレン湖が流れ、観光名所として多くの人が訪れていました。
<ストックホルム市庁舎で記念撮影>
9日目> 高齢者ケアハウス訪問

 この日は早起きし朝食を摂った後、列車に揺られること1時間30分、リンショーピンに到着し高齢者ケアハウスAlerisを訪問しました。この施設では入居者が出来ることは自分で行うことで、残存能力の活用へとつなげていくという方針だそうです。
<入居者たちの共同スペース>

<外には入居者がくつろぐことのできるスペースも>


10日目> 帰国

 スウェーデンのアーランダ空港からデンマークのコペンハーゲン国際空港へ戻り、そこからスカンジナビア航空983便に搭乗し、成田空港へ無事に到着しました。

<最後に>
 今回の海外研修で、日本とは異なった社会体制の国々をこの目でみることができたのは、現地でお世話になった澤渡さんをはじめ、今回訪問した各施設スタッフなど、多くの方々の支えがあったからこそだと実感しています。
そして、航空券の手配、ホテルの予約などから現地へ引率していただいた奥山先生には、心から感謝しています。本当にありがとうございました。
デンマークやスウェーデンといった「福祉国家」の先進国を訪れることができたのは、私たちにとって一生の思い出であり宝物になると確信しました。

---------------------------------
小林君、前野君ありがとうございました!

お礼にひとつ。
現法さんは海外ゼミ研修の様子を先生の研究室でお茶を飲みながら聞き、すごく感動してしまい先生を通じてブログの寄稿を依頼しました。
その時に「先生大変だっただろうな」と思い、冗談まじりに「アテンド料がほしいところですね」と言ってみました。そうしたら先生が、

「学生が見学して何かを得てくれるのが一番のアテンド料ですよ、大変だったけどそれがあれば他には何も要りませんよ~」

っておっしゃっていました。

今年度で定年退職(70才)を迎えられる奥山先生。すごく寂しいですね。最後の最後まで研究と教育を頑張ってくださいました。残りの数ヶ月もよろしくお願いいたします。

他のゼミも是非、学期はじめには「海外ゼミ研修」を検討してみてください。

ではまた次回!