2014年6月20日金曜日

「刑法」ってどう学んでいけばいいの?
~若手教員 中村悠人先生に聞く~


中村 悠人 先生

みなさんこんにちは。

みなさんは、『現代法学部の若手教員』というと、だれが浮かびますか?

今回は、現法で2番目に若い、中村 悠人先生にインタビューしてみました。

中村先生は、1年生2期科目「刑事法基礎」や、2年生~科目「刑法」を担当されています。そこで、まずは「刑法の学び方」について聞いてみようと思いました。

また、先生は東経大に来て1年ちょっとですので、まだ「謎」な部分が多いと思います。ご自身の「進路をどのように考えたか」「休日の過ごし方」などについてもあわせて聞いてみました。

ではどうぞ。

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1:先生はなぜ大学の教員になったのですか?先生が刑法の教員になった「きっかけ」があれば教えてください。 

 私が大学の教員、より正確には研究者を目指したのは、「よくわからん」ことが多かったからです。
 
 それで色々と調べていくうちに面白くなり、研究者を志望するようになりました。もっとも、最初から刑法を研究しようと決めていたわけではなく、法学部に入学した当初は司法試験か公務員を目指そうと考えていました。それが、法律系の討論サークル(インカレで法律討論会を行っていた)に入り、先輩や友人、後輩と議論をしていくなかで、法学をもっと学びたいと考えるようになりました。
 
 そんな折、先の法律討論会で刑法の問題が出題されたのですが、なかなか難しい問題でして(薬害エイズ事件を元にした事例)、今思うと問題の本質をきちんと理解できなかった。それで、興味を持って刑法のゼミに進んだのが最初です。そこで、刑法は、論理性、体系性と具体的帰結の妥当性を確保することが求められるのだということがわかり、研究をしてみたいと思うようになり、今に至ります。
 

2:「刑法」について興味が持てません。何か興味が持てる方法はありませんか?

 やや一般論的になりますが、興味が持てないという場合、学んでいない食わず嫌いの場合と、やったけれども良くわからない場合のどちらなのかによって、対応は変わると思います。
 
 食わず嫌いの場合、きっかけはいろいろあるのですが、ふとしたことから(単位を取得するための「勉強」であっても)興味を持つことがあるので、まずは触れてみることが重要となるように思います。
 
 他方、触れてみて良くわからなかったという場合、わからないということで興味をなくしてしまったのであれば、もう少し続けてみることをおすすめします。
 
 それというのも、刑法は一つの部分だけを切り取ってもよくわからないものでして、他の部分との繋がり、様々な問題との関係を理解してはじめて色々とわかってきて、体系的なものとして面白くなってくるからです。どうしても「勉強」ですと長く続かないものですから、自主的な「学習」を目指してください。
 

3:「刑法」の効率の良い勉強方法を教えてください。

他のことにも共通していると思いますが、「急がば回れ」が一番効率の良い学習方法です。
 
特に、刑法の場合、犯罪体系を意識してはじめて見えてくるというものが多々ありますので、一通り教科書を読み講義を聴いて、もう一度読み直す、講義のノートで復習するという過程がとても大事になってきます。その意味では、すぐに芽が出るタイプのものではなく、こつこつやっていたらあるときに繋がりがわかって理解できるようになる、というものです。この点では、語学に少し似ているかもしれません。
 

4:先生が今一番注目している事件があれば教えてください。

 具体的な事件というわけではありませんが、現在は本来の研究テーマである刑事制裁論を研究しつつ、行刑と社会的援助の問題、また、司法と福祉の横断的な検討にも関心があります。

 
5:先生はご出身が静岡で、大学が関西、東経大の教員になられて初めて東京に出てこられたと思いますが、東京生活はどうですか?休日は何をされているのですか?

 東京の生活も1年ちょっとたち、慣れてはきました。ただ、電車等での人の多さと歩くスピードの遅さは難儀しますね。

 休日は、研究者には土日も研究会や学会、シンポジウム等があるので休みではないので、主に平日の時間がある日に作るのですが、なかなか丸一日休むことはないです。できれば、旅行に行ったりしたいですね。


6:東経大現代法学部の学生に最後に何か一言お願いします。

 自戒の念もこめてということになりますが、周りの人が言うからというのではなく、自分で考えて答えを出してください。
 
 そのためには、まず、周りの意見を鵜呑みにすることをやめ、自分の意見や他人の意見ときちんと向かい合うということが必要になります。そして、自分と異なる考え方をもっている人と、感情的にならずに冷静に議論をすることが重要です。
 
 どうしてその意見に至ったのかをきちんと知れば、反対に自分の考え方の良い部分と悪い部分の両方が見えてくるものです。そうしたなかで、自分の意見が本当に正しいのかを常に疑いつつも、自分なりの考えをきちんと表明できるようになってください。
 
 
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いかがでしたか?
先生って忙しいんですね。

学生のみなさんと年齢が近め(?)ということで、親近感を持って読んでもらえたのでは。分からないことがあったら、是非中村先生を訪ねてくださいね。






ではまた次回!