2017年5月30日火曜日

【学問のミカタ】刑法ってどう学んでいけばいいの?~2017~

2017.4 学習相談(中村先生)

みなさんこんにちは。

あれ?更新早!(珍しい)

と思われてる方もいるかな。
5月にはもうひとつ、【学問のミカタ】をアップしないといけないのでした。


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今年度から【学問のミカタ】のルールが変わりました。

・奇数月にアップする。
・各学部の教員が自分の専門分野を中心に書く。
・共通テーマはなし。

ということで、現代法学部のトップバッターは中村悠人先生です。

なぜ中村先生先生がトップバッターか、、、理由は現代法学部の「広報委員」なのです。学生の皆さんで、「自分もブログに載りたい!」「こんな記事載せてほしい!」なんて希望がありましたら、是非中村先生へ情報を寄せてくださいね。

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今回、中村先生は「刑法の学び方」について書いてくださいました。

実は過去にも書いてくださり、この記事は常に閲覧上位ランキングにあります。

2014年6月の記事です。あれから3年、早いですね。


ちなみに現在中村先生より若いのは古賀先生と金崎先生だけです。
現在の最長老は・・・・(*゚ロ゚)ハッ!!

20170125世界システム研究会(経済学部の岡本先生主催)
奥山・礒野先生退職記念に参加する大出・中村先生

ということで、中村先生よろしくお願いします!

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「刑法」等を担当している中村です。
今年度の「学問のミカタ」では、各学部・センターの教員が、それぞれ自身の専門や研究に関わる問題を紹介するということになりました。

*各学部・センターの「学問のミカタ」については以下。

【学問のミカタ5月】

さて、
皆さんは、「刑法」というとどの様なイメージを持つでしょうか。

ミステリー? サスペンス? それとも、刑事ドラマ? 法廷ドラマ?
あるいは、犯罪を行った者の心理分析やプロファイリング?
そういったイメージが刑法と全くの無関係ではありません。
しかし、大学の講義で扱われている刑法は、そのイメージとは異なります。

まず、「刑法」とは何か?と問われたら、どのような答えが返ってくるでしょうか。

1年生向けの講義で聞いてみますと、
「犯罪に関する法律です。」
「殺人罪とか、傷害罪とか?」
「六法にある刑法。」
「処罰の法律だと思います。」

といった答えが返ってきます(年によって異なりますが、大体このような答えが多いです。)。

これらの答えは、もちろん間違いではありません。

「刑法」では、法律としての刑法典をメインに扱いますので、「六法にある刑法」は正しいとも言えます。ただ、「刑法」では、ときに刑法典以外の法律等も登場します。例えば、「軽犯罪法」、「爆発物取締罰則」、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」等々。他にも、各都道府県・市町村で制定される条例も関係します。
 
*「刑法」に限らず、法学の講義では、法律以外の命令や規則、条例が登場することがあります。そして、法律にはなっていない「法」を扱うこともあります。

これらの法律等(法令と表現されることがあります。)では、犯罪とそれに対する刑罰を規定する条文があります。
例えば、刑法第204条では、
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
と規定しています。
これは、「人の身体を傷害した者」という犯罪(ここでは傷害罪)の成立に関わる部分と、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」という刑罰に関わる部分があります。

大学の講義での「刑法」では、条文をもとに、
「どういった場合に犯罪が成立するのだろう?」
「どんな条件が必要なんだろう?」
「例えば、「傷害」ってどんな意味」
「自分で自分を傷つけた場合は?」
「医者が手術で切開した場合は?」
といったことを扱ったりします。

*また、実際の事例に対して裁判所がどのように判断したかを検討することも大事になってきます。

それでは、刑罰の方はどうでしょう?

刑罰に関わる問題としては、
「なぜ犯罪に対して刑罰って科しても良いの?」
「被害者が復讐することが許されていないのはどうして?」
「どのような刑罰が、どのくらい科されるの?懲役?罰金?」
こういったことが扱われることがあります。

*刑罰に関しては特に、法とは何だろう?国家は何のためにあるの?人間ってどういう存在?といった根本的な問題も考えていくことになります。

このように、刑法では様々な犯罪と刑罰に関する問題を扱っています。こうして見ていくと、「犯罪に関する法律」や「処罰の法律」、「殺人罪、傷害罪」といった答えは、いずれも間違ってはいません。刑法では、犯罪と刑罰は両輪の問題として、どちらも考えていかなければならないものなのです。

*刑法は、英語では「criminal law」、ドイツ語では「Strafrecht」、フランス語では「droit pénal」と言いますが、criminalは、犯罪に着目した表現、Strafpénalは、刑罰に着目した表現とも言えます。いずれにせよ、犯罪と刑罰の双方を検討していくことになります。

このブログを書いていて、「難しそうだから、やーめた」と余計に刑法への興味がなくなってしまうのではといった不安もありますが、「刑法」ってどんなものなんだろうというイメージが少しでも伝わればと思います。

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中村先生、ありがとうございました!

ではまた次回~

2017年5月25日木曜日

最近の近況
~公務員志望者支援プログラムミーティングなど徒然話~

2017.5.25 大学風景

みなさんこんにちは。

昨日まで暑い日が続いていましたが、今日は雨が降り涼しくなりましたね。気温の差が大きいので体調管理には十分注意しましょう。

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写真は大学のけやきの木です。

「去年と違いませんか?なんかこわい~」と学生さんから。
そうかな。

今日のケヤキ



去年のケヤキ


なんかタテにシュッとした形ですね。
そうだった、今年はケヤキ特有の扇形の広がりがないのです。
この春に大規模な剪定と伐採を行ってました。

例えばクヌギの木。
落ち葉がお隣のお宅に迷惑を掛けていたそうで、伐採していました。

現在残っている切り株です。


どのくらい大きかったか、というと、こんなに大きい木だったのです!職人の方をクレーンで持ち上げて少しずつカットしていました。

南門に降る途中に、伐採したクヌギの木の幹の輪と枝が残っています。尾崎先生が授業で使おうかと考えている模様。この輪だけでも120キロあるそうですよ。

大学のちょっとした近況でした。

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さて、次は現法編。

★おととい、「公務員志望者支援プログラム」3年生ミーティングがありました。今回の担当は金崎先生です。


今回は、「公務員試験の全体的スケジュールの説明」と、「ちょっと勉強コーナー」がありました。
また、「教養試験」と「専門試験」についてや、「勉強進め方」など金崎先生の分析結果がアドバイスされました。

「ちょっと勉強」コーナーでは、行政手続法に関する問題を金崎先生が作成し、審査基準と処分基準について説明していました。

★2年生の皆さんで「公務員志望者支援プログラム」に所属したい学生向けの説明会は、6月2日(金)です。詳細はTKUポータルサイトで確認してください。


★1年生向けの今年度の「社会・法学入門」概要ができました!

「社会・法学入門」はこれから現代法学部で学んでいくための「動機付け」を行う科目です。各教員の専門分野で起こる問題を実際に見学したり、ゲストをお呼びし話を聞くなどして、それを解決するための方策を考えます。考える(法的思考力を身につけ、社会と法を学ぶことの必要性を自ら考える)訓練をする科目です。
SPACE2018より
昨年度は橋爪ゼミが国分寺の児童館に遊びを提案し採用されたと聞きました。今年も多くの先生が見学に行きますし、大学で文献を読むゼミもあります。しっかり「概要」を読んで応募してくださいね。

ではまた次回!