2013年12月9日月曜日

体験型授業「環境問題と政策2」



事件は教室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」

いきなり某ドラマの名台詞を拝借してみました。

2012,2013年度は、1年生2期に「環境問題と政策2(礒野弥生教授)」「犯罪と刑罰と社会(大出良知教授」」という授業が開講されています。

これらはどのような授業かというと、法律問題が起きている現場に行き、見て、聞いて、触れて、法律の諸問題を実感し、それについての解決策を法的視点から考えていく、体験型の授業です。それは、
「法律の諸問題について社会的実情から解決方法を探る」

という、わが「現代」法学部のコンセプトに通じます。大学ではこれを「理念」と呼びます。

【東経大ホームページへ】現代法学部の理念・目的・教育目標

1年生からいきなり「現場」に行くわけですが、法律をまだ知らない1年生ならではの疑問が発言されます。2年生以上の学生なら、「それは、これこれこういう法律があるから仕方ない」という場合も、一年生だと「それっておかしくない?」と思うわけです。疑問に思ったら解決策を見つけたくなりますし、興味のある分野だと学修意欲がわきます。

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今回、「環境問題と政策2」では、国立市の景観問題の現場に行きました。
国立市は東経大がある国分寺市のお隣の市で、駅からまっすぐ伸びる「大学通り」はとても美しい通りです。市民意識がとても高く「みんなで国立の環境を守っていこう」といろいろ活動しています。今回は、国立の大学通りを歩き、景観を守る活動を行っている市民の方から、諸活動について伺いました。「国立が大好きだ」という思いが伝わってきました。

建物建設時の樹木を守る活動について
説明を受けました。
 
国立市の景観条例について
説明を受けました。


最後に、国立市の大学通りに建設された高層マンションを巡って、建設中止、建設物撤去を求める住民側と企業側とで争われた現場に行き、桐朋学園さんの教室をお借りして「国立発景観市民ネット」代表で、裁判の原告のひとりである石原一子さんから、裁判を起こすきっかけから終結まで説明を受けました。





裁判では、建物の撤去はかなわなかったものの、初めて「景観利益」が認められる画期的な判決でした。その判決は後の広島鞆の浦での訴訟にも援用されています。石原さんは最後に「法律を知っていることが住民運動にどれだけ大切か」ということを話されました。

また礒野教授から「日本人は景観、アメニティに無関心すぎる、それぞれの地域にそれぞれのアメニティがあり、ゾーニングしてすみ分けて考えていくことが必要。それを踏まえて、法律を勉強する人は何を考えなければならないのか」と学生に問いかけがあり、学生からも「景観を守る」「市民運動」などについて質問意見が出されました。

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授業を履修している学生に「どうしてこの授業を履修したの?」と聞いたところ、「現場に行き、見てみないと実感できない、思いが伝わってこない」「法律が使われている現場を見たい」との回答がありました。

受験生向けの案内になりますが、
実は2015年度からこのような「体験型」授業が増える予定です。
新カリキュラムはいくつかの「プログラム」から構成されます。学生は自分でプログラムを選択し、履修モデル通り学んだり、また、学習相談を受けながらそれをカスタマイズして学んでいきます。
楽しみにしていてください。少しずつ情報をアップしていきたいと思います。