2015年5月18日月曜日

【学問のミカタ】「スポーツが好きだから、現代法学部」だって、いいじゃない!

久保 健助ゼミ ゼミ合宿

皆さんこんにちは。

今日は【学問のミカタ】シリーズです。今回から全学共通教育センター所属の先生も参加です。

(※全学共通教育センターというのは、語学、コンピュータ、スポーツ科目や、教養科目の授業を担当する先生方が所属するグループです。)

【 学問のミカタ:テーマ『スポーツ』】

現代法学部は、久保健助先生が寄稿してくださいました。
テーマは【スポーツ】。

前回の記事と偶然にも!?コラボしました。
ではどうぞ~!

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 先日、両国の江戸東京博物館に「大関ヶ原展」を見に行ってきました。こんな渋い企画に人が集まるんだろうか?と余計な心配をしながら現地に向かいました。しかし、到着してビックリ仰天。昼過ぎの入場券売り場前にざっと見ただけでも1000人近くの老若男女が並んでいるのでした。戦国時代を扱ったアニメの影響もあって、若い人たちの間でもかなりの戦国ブームなんだそうですね。

 中学・高校での日本史の授業とはひと味違うアニメの魅力がこれだけの若いファンを作り出したようです。「好きこそ物の上手なれ」。好きであればこそ、飽きずに(あるいは楽しみながら)努力するから、ついにはその道での上達が得られるということですね。
久保ゼミ ゼミ研究報告会 2014
テーマ[外国人労働者への差別][いじめ問題について]

 さて、スポーツのお話でした。授業履修の様子から、現代法学部の学生がスポーツ方面の授業に強い関心を寄せているらしい、とこのブログで知りました。そうであれば、何となくとっつきにくい法学に、スポーツの方面からアプローチするのも大いに「あり」だなと感じました。

 以前、ある体育大学が学生募集のキャッチフレーズに「スポーツが得意でなくても、スポーツが好きだから、○○体育大学」とやったら、実技の授業に四苦八苦する「得意じゃないけどスポーツ好き」の学生が増えて一苦労した、という話を聞きました。実技の世界はちょっと別かも知れませんが、社会科学の分野では「スポーツが好きだから、現代法学部」でも少しも困らないのではないでしょうか。例えば、領土問題に興味があって国際法を学びたいと思う人があるように、また、差別問題についての関心から人権について学びたいと思う人があるように、スポーツに関わる何かしらの興味から、その分野の法的知識を学ぶ人がいてもいいでしょう。

 一例を挙げれば、先日のボクシング「世紀の一戦」パッキャオ対メイウェザーなどは、スポーツイベントを越えて、法学的興味をあれこれ刺激してくれましたよ。
 まずは、“アジアの英雄”パッキャオと“完全無欠の天才”メイウェザーに支払われるファイトマネーは計330億円だったそうです(朝日新聞デジタル広告特集WOWOWより)。いったいこのビッグビジネスをめぐって、関係者の間でどのような《契約》が結ばれていたのでしょうか。勝者と敗者の取り分は?前日に一方がお腹をこわして試合がお流れになった場合の《責任》は誰がどう取るのか?

 実際、敗者となったパッキャオが試合後に、「実は試合前に右肩を怪我していた」と告白したため、「負傷を知らされないままチケット料金や有料放送、賭け金を支払い、損害を被った」として500万ドル(約6億円)以上の《損害賠償》を求める集団《訴訟》が起こされた」そうです(201557日付毎日新聞より)。
 あるいはもっと基本的なところで、そもそも衆人環視の中で大男同士が殴り合いを続けているのに、誰も警察に通報しないのは何故なんだろうとか、今回はそれほどでもなかったようですが、相手の顔が腫れ上がるほどに殴り、ときには流血を見てさえ、《犯罪》として罰せられないのは何故なのだろう、と。

 上記の《 》で囲った言葉はいずれも、法学の世界における重要な論点に関わるものばかりです。

 大学を目指すにあたって、どの学部を選ぼうか迷っている高校生諸君、入学はしてみたものの、さていったい何を手がかりに専門とすべき方面を決めようかと思いあぐねている学生諸君。自分の《好き》をキャリアデザインに結びつけることが出来たら、こんな素晴らしいことはないと思いませんか。

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久保先生ありがとうございました。

いかがでしたか?
スポーツが好きだから、スポーツから法律にアプローチしてみる、そんなキッカケも良いですね!

久保先生は「スポーツ法学」の分野にも精通されていますので、いつか現代法学部で特別講義をやってくれないかなぁと、現法さんはひそかに期待しています。


ではまた次回!