上の写真は、「2014年4月6日(日)」の新聞1面記事を比較した写真です。
福島民報・・・「港湾外セシウム濃度急上昇」2日前の13~33倍
朝日新聞・・・108議会「秘密法廃止を」意見書可決 地方、根強い批判
全然違いますね。港湾外のセシウム濃度が急上昇していることは、福島の住民、漁業関係者などにとって必要な情報でしょう。しかし、海水は太平洋へ出ていきます。近隣の県、茨城、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、宮城、岩手、青森、北海道・・・・私たちにとって必要な情報でもあります。また、海は世界につながっています。太平洋諸国・・・
みなさん、福島民報を読んでこの情報を知っていますか?
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これは、先週の金曜日(4月11日)に行われた授業、特別企画講義「福島原発事故の今―被害と救済、原状回復」で片岡直樹先生がお話しされた内容の冒頭部分です。
続けて、片岡先生は最近の避難指示区域(広野町~楢葉町~富岡町~川内村)の状況を、先生が撮影した写真に沿ってお話しされました。
※法律事務所 許可を得て入っています。 |
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「避難指示の解除と現実」ということで、田村市都路地区の避難指示解除について説明が行われました。
田村市都路地区は、原発から20キロ圏内に位置し避難指示区域に指定されていましたが、、この4月1日午前0時をもってその指定が解除されました。原発から20キロ圏の旧警戒区域で避難指示の解除はこれが初となります。
解除されて喜んでいる住民ももちろんいると思いますが、実際のところは、帰還は進んでいないようです。その理由は私たちでもなんとなく想像できます。
また、国は、帰還を支援するために、避難指示解除後1年以内に帰還する住民に、「早期帰還者賠償」として1人当たり90万円程度を支払うと発表しました。交通機関などが復旧しない分の[生活費]の上乗せ分として算出された金額だそうです。ただし、今まで受けられていた、慰謝料損害賠償が1年で打ち切られるとのことです。
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ここは富岡町です。何のへんてつもない写真に見えると思います。
何故この写真を先生が紹介したかと言うと、道路を挟んで左側が「居住制限区域」、右側が、「帰還困難区域」、だからです。
たった4、5メートル幅と思われる道路を挟んで、運命が全く違います。
「帰還困難区域」と「居住制限区域」の何が違うかと言うと、簡単に言うと、左側の「居住制限区域は」、除染が進み条件が整えばすむことができるようになる地域で、右側の「帰宅困難区域」は帰宅出来る見込みがない地域です。
「居住制限区域」は立ち入ることが可能です(申請等必要だったりします)。
また、富岡町の「居住制限区域」は、一部事業再開が認められています。
しかし、帰還困難地域については、富岡町のホームページにも
また、富岡町の「居住制限区域」は、一部事業再開が認められています。
しかし、帰還困難地域については、富岡町のホームページにも
(※帰還困難区域では放射線量が非常に高いため、現時点での事業再開はできません)
と書かれています。
道路一本隔てただけなのに…と思ってしまいます。
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被害者がどういう取り組みをしているか、しなければならないか、せざるを得ないか、ということで、原発ADRについて説明が行われました。
ADRと言うのは、簡単に言うと、様々な問題やトラブルを解決するために裁判を起こすのではなく、第三者に入ってもらい、解決を図る仕組みです。
「原子力損害賠償紛争解決センター」は、文部科学省が管轄です。
ホームページには、現在の申請件数や和解件数が掲載されています。
(2014年4月11日現在)
(1)申立件数:10,901件
(2)既済件数:7,962件
(うち全部和解成立:6,416件、取下げ:766件、打切り:779件、却下:1件)
(3)現在進行中の件数 〔(1)-(2)〕:2,939件
(うち現在提示中の全部和解案:362件)
(4)和解成立件数:7,607件
(うち全部和解成立:6,416件、一部和解成立:1088件、仮払和解成立:103件)
(2)既済件数:7,962件
(うち全部和解成立:6,416件、取下げ:766件、打切り:779件、却下:1件)
(3)現在進行中の件数 〔(1)-(2)〕:2,939件
(うち現在提示中の全部和解案:362件)
(4)和解成立件数:7,607件
(うち全部和解成立:6,416件、一部和解成立:1088件、仮払和解成立:103件)
数字を見ると、ADLは一見機能しているのではないかと思います。和解率は高まってきています。
しかし、例えば原発事故関連死の賠償額に差があったり、避難しろと言っておきながら、避難中の窃盗に対して、「これは原発は関係ない、盗んだ人が悪い」ということで、賠償されなかったりします(車が賠償されたケースが1件あるとのこと)。
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他にも、除染の問題や、不法行為にも話が及びました。
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今週金曜から、いよいよゲスト講師を迎えての授業となります。
第1回目は現在避難生活を送られている金井さんを迎えての授業となります。
まずは「しること」。
今後の原発問題について、今後の日本について考えていきませんか?
履修修正登録期間は明日、4月17日までです。
ではまた次回。
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